千葉県鴨川市 大本山小湊誕生寺 公式サイト

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平成21年7月

平成21年7月

親孝行(おやこうこう)したいときに親は無(な)し
さりとて墓石(いし)に布団着(ふとんき)せられず

 

私たちは、自分が親になったときや、年老いたときに親の恩と言うものをしみじみと味わい、また、その恩を知ったときには、親はすでにこの世からいなくなつている事が多く、よく葬儀の折に不知恩(ふちおん)を欺(なげ)くと言います。

しかし、今は亡きご両親様に対するご恩返しは誰にでも出来ます。

日蓮大聖人は『十王讃歎砂(じゅうおうさんだんしよう)』に、「但(ただ)し孝養(こうよう)に三種(さんしゅ)あり。衣食を(えじき)を施(ほどこ)すを下品(げぼん)とし、父母(ふぽ)の意に違(たが)はざるを中品(ちゆうぼん)とし、功徳(くどく)を回向(えこう)するを上品(じようぼん)とす。・・・況(いわん)や亡親(なきおや)においておや・・・」と、述べておられます。

すなわち、親孝行には大きく分けて三種類があるが、親に着る物や食べ物を与えることや、親の言う事を聞いたりする事は容易(ようい)に出来そうではあるが、功徳を手向(たむ)ける事はなかなか出来ず、ましてや亡き親においてはなおさらである、と、申されておられるのです。

かく考えると、今は亡(な)きご両親様へのご恩報(おんほう)じは、人間らしく生きる事であり、それは、他(た)の人(ひと)の悲しみを我(わ)が悲しみと受け止めることの出来る、思いやりの心をもって他人(ひと)に接する事ではないかと思うのです。なぜなら、それもまた、功徳を積むと言うことにつながるからであり、それを仏教では、『慈悲(じひ)』と言うのであります。

誕生寺 布教部