千葉県鴨川市 大本山小湊誕生寺 公式サイト

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6.龍王堂の八大龍王

6.龍王堂の八大龍王

祖師堂の左手の回縁に沿って墓地との間を進むと、左側に小さなお堂があります。これが龍王堂です。正面の参道からは直接にお堂が見えませんから、ご存じない方もいるでしょう。このお堂にお祀りしているのが、法華経の守護神八大龍王(はちだいりゅうおう)です。八大龍王は、仏教を守護する天龍八部衆の一つである龍族で、難蛇(なんだ)龍王・跋難蛇(ばつなんだ)龍王・沙竭羅(しゃから)龍王・和修吉(わしゅきつ)龍王・徳叉迦(とくしゃか)龍王・阿那婆達多(あなばだった)龍王・摩那斯(まなし)龍王・憂鉢羅(うはつら)龍王の八王をいいます。

 

この八大龍王は、釈尊が霊鷲山(りょうじゅうせん)で法華経を説かれた時、その場に列なって教えを聞いています。また、沙竭羅龍王の八才の娘が、法華経の教えを聞いてたちどころに成仏したという話は、龍女成仏として有名です。日蓮聖人も、曼荼羅本尊の中に「龍神」「龍神王」「龍王」「大龍王」などと書き入れられています。龍王は大海に住んで、雲を呼び雨を降らせる神力をもっていると考えられましたから、一般には祈雨や止雨の祈願の神として信仰を集めています。

誕生寺のお像は、八王をそのままに表したものではなく、一王の姿をとったものです。甲冑姿で、右手に宝剣、左手に宝珠をとります。そして、左方には宝珠を捧げ持つ天女姿の妙鶴弁才天、右方には法華経八巻を捧げ持つ老相の日昌尊者を従えるという、独特の形式です。

ところで、龍王堂は以前には現在の場所よりも右斜め後方にありました。そして、お堂の右手には池が広がっていました。昭和のはじめ頃のことです。大雨の後に池の土手が崩れ、そこから大人の両手の握りこぶし程の石が現れました。この石はちょうど蛇がとぐろを巻いた中から首をもたげたような形をしており、発見した信者さんは「龍王さまの化身に相違ない」と早速に拾い上げたのです。以来、お堂正面の八大龍王のお厨子の左側に安置しています。大漁を祈願する漁師さんは、大祭の日には必ずこの石を撫でてお参りをしたそうです。

現在、かつての池は防災上の必要性から地下式の防火用水となっています。その工事に伴って、お堂も今の場所に移転しました。

龍王堂では、正月・5月・9月の年3回、各18日に八大龍王の縁日として大祭が行われています。御宝前で法楽加持(ほうらくかじ)が行われた後、参詣者は各々海上安全・大漁満足・家内安全などのご祈祷を受けてお札を頂くのです。熱心な檀信徒に、小さなお堂は毎回一杯になってしまいます。